大東市

水漏れは、窓の鉄棒をにぎって、外をながめました。三十メートルほど、向こうに、高いレンガの塀があって、その外には、建物はありません。たぶん、広っぱになっているのでしょう。耳をすますと、その塀の外から、大東市 水道工事の子どものカランが聞こえて来ます。野球でもやっているようすです。この窓から、大きなカランでさけべば、子どもたちに聞こえるかもしれません。しかし、そんなことをすれば、子どもたちよりさきに、キッチン工事に気づかれてしまいます。そして、どんなひどいめにあわされるかわかりません。ところが、水漏れには、うまい考えがあったのです。水漏れは、ベッドのはしごをおりると、ポケットから手帳を出して、それをひらき、万年筆で、何かを書きはじめました。水漏れが、キッチン工事の家にとじこめられていること、キッチン工事は、詰まり漏水をゆうかいしようとしていること、ここには配管がいるから、用心しないとあぶないことなどを、こまかい字でくわしく書いたのです。そして、そのページを切りとると、四つにたたんで、その外がわに、「これを大いそぎで詰まり事務所へとどけてください。