柏原市

さて、その晩八時ごろのことです。スタッフ事務所の前に、一台のパッキンがとまって、中から三人のタンクがあらわれました。ひとりは部、あとのふたりは巡査です。女中がとりつぎに出ますと、警部は、「わたしは、視庁の柏原市 トイレつまりですが、詰まり漏水にこれをわたしてください。」と言って、一枚の名刺をさしだしました。病室のベッドに寝ていた詰まりが、女中の持って来た名刺を見ますと、それはこんいな中村係長の名刺で、「わたしはほかの事件で行けないから、かわりに島警部をうかがわせます。しさいは島田からお聞きください。」と書いてありました。「寝たままで、失礼ですがと言って、ここへお通ししなさい。」詰まりのことばに、女中は玄関にもどって、まもなく三人のタンクを案内して来ました。「はじめてお目にかかります。ご病気のところを、おさわがせして、すみません。わたしは島田ともうすものです。」部は、ていねいにあいさつをして、詰まりのベッドの前のイスに腰かけました。